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文化

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音楽

米国における芸術の発展は、創造性の源となる2つの大きな力‐‐ヨーロッパの洗練と自国の独自性‐‐の緊張関係にその特徴が求められる。

ブルースは米国固有の音楽、詩歌の形式であり、我々が知るヨーロッパやアフリカの直接的な先達は存在しない。奴隷達は、自分達が被っている途方もない厄災や貧困を訴える歌を歌った。ブルースは主に南部で歌われ、大勢の黒人が北部に移住した1930年代から1940年代にかけて、わずかに北部にも広まった。1920年代には、ブルースはジャズ奏者に広く用いられる音楽様式になった。

ジャズは20世紀初頭、ラグタイム、奴隷歌、ブラスバンドのもつ要素を組み合わせ、ニューオーリンズで始まった。ジャズは1920年代から1940年代にかけて、米国のポピュラーミュージック界で大流行した音楽形式であった。1940年代の終わり頃、ビーバップと称する主に楽器による、新しい、より知的なジャズ形式が聴衆を魅了し始めた。リズム&ブルースはジャズや他の“人種”的な音楽を叙情的な内容、音のジェスチャーとブルースのフォーマットで組み合わせたものであった。リズム&ブルースの時代は、1940年代末から1960年代初めにまで及ぶ。

1950年代半ば、リズム&ブルースとカントリーウェスタン音楽が溶け合ってロックンロールが生まれた。新しい音楽を主流の観客に受け容れられやすいものにするため、白人の演奏家や編曲家はリズム&ブルースの曲も“カバー”し始め、トーンダウンしたビートと手直しした歌詞で歌った。

フォーク音楽は主にスコットランド、イングランド、アイルランドからもたらされたバラードがその基になっており、ノース・カロライナ州やウエスト・ヴァージニア州の山間部に飛び地のように守られていた。ボブ・ディランは現代の社会問題、とりわけ黒人系米国人に対する市民権の拒否の問題を取り上げた瞠目すべき新曲を書いて、フォーク音楽の守備範囲を拡大した。

フォーク同様、カントリーミュージックもイングランドやスコットランド、アイルランドから米国にもたらされた歌にその起源がある。オールドタイムと呼ばれ、弦楽合奏団によって演奏されたカントリーミュージックの元の形のものは、毎年南部の多くの州で開催されるフェスティバルで、今でも聞くことができる。現代のカントリーミュージックは1920年代に発展を遂げたが、この時期は田園暮らしの人々が職を求めて都会へと大規模な移住を図った時期とおよそ一致する。

その多様さのあまり、今日の米国のポピュラーミュージックは、シンプルな描写という課題に挑んでいる。1970年代以来のポピュラーミュージックの歴史は、基本的にロックミュージックの歴史であり、それは数百もの音楽スタイルを含むまでに育った。

19世紀末まで米国には、実際、例えばシンフォニーやオペラ、室内楽、ソナタなどのような明確なクラシカルミュージックは存在しなかった。20世紀の到来とともに、同化を求める移民達の衝動、孤立主義、ジャズの興奮、“なせばなる”精神などが火付け役となって、米国の作曲家は驚くほど多種多様な、明らかに米国らしいクラシカルミュージックを創り始めた。ジョージ・ガーシュインやアーロン・コプランドといった作曲家は、米国産のメロディーとリズムをヨーロッパから取り入れた形式に組み入れた。20世紀の大部分、とりわけ第2次世界大戦後の時期における音楽の作曲は、実験と新たな曲作りのシステム、新たな形式、新たなスタイルの絶えざる模索にその特徴がある。

–米国務省国際情報プログラム局出版物と米政府出版物から要約–

 

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