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日米関係

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日米関係

概要

第2次世界大戦後の日米の同盟関係は、長期にわたり、東アジアにおける米国の安全保障上、要の役割を果たしてきた。その同盟は、およそ5万3000人の米軍部隊が配備され、日本国内の基地を利用できることで、アジア太平洋地域における米軍の前方展開を容易にし、その結果、米国の安全保障戦略を強固なものにしている。日本側にとっては、日米の同盟と米国の核の傘が、近隣諸国、とりわけ中国と北朝鮮への対応において駆け引きできる余地をもたらしている。

ブッシュ政権は日米の戦略的協力関係を拡大し、日本にいっそう積極的な国際的役割を引き受けるよう促すという点で大きな前進を遂げた。2001年9月11日のテロリストによる攻撃を受けて、日本はアフガニスタンにおいて、史上初めて米軍および多国籍軍の非戦闘的支援を図る軍事展開を行った。2004年、日本政府は国内での大きな反対にもかかわらず、イラクに非戦闘部隊を派遣した。2005年には日米両国は、軍事協力を強化する広範な新たな合意を発表した。その計画は、米軍は再編を図り、日本は地域ならびに世界規模の安全保障の維持にいっそう積極的な(非軍事的)役割を果たすよう求めている。2007年半ば以降、日本の政治的混乱とねじれ現象のある国会のため、この安全保障上の進展が部分的に鈍化、失速した。

2009年8月30日の衆議院議員選挙において日本の民主党が地滑り的勝利を収めたことが日米関係にどの程度影響を与えるかはまだ不明である。選挙での勝利は、鳩山由紀夫党首のもとで、民主党に政府の支配権をもたらした。民主党の大半の議員はおおむね日米の同盟や日本外交の基調を支持しているが、以前同党は、日米の同盟のいくつかの点に疑問を呈し、また反対票を投じてきた。基地の再編、日本に駐留する米軍に対する日本の財政支出、アフガニスタンにおける戦闘に対する日本の海上自衛隊の支援展開などがこれに含まれる。民主党の勝利は、日本の一時代の終わりを徴しているように思われる;日本の自由民主党が選挙で政権を追われたのはこれが初めてである。自由民主党は、1955年以来、ほぼ一貫して日本を支配してきた。

日本は、米国にとり、最も重要な経済パートナーのひとつである。北米外では、日本は米国の第2位の輸出マーケットであり、第2位の輸入相手国でもある。日本の企業は米国の第2位の海外直接投資対象であり、第2位の米国の資産保有国でもあって、米国の財政赤字を埋め、米国内の金利上昇圧力を軽減させる役割を果たしている。近年、2国間の貿易を巡る摩擦は緩和しているが、それはひとつには米国の懸念が対日貿易赤字よりはるかに大きな対中貿易赤字に取って代わったからである。例外は、2003年における日本の米国産牛肉の輸入禁止措置を巡る批判であるが、それもその後再開している。

しかしながら、金融危機やそれがもたらした経済停滞、さらに両国がこれらの問題にどう対処するかが、予見可能な将来の、両国の経済的な中心課題になりそうだ。日本は、金融危機とそれに続く景気後退により、とりわけ大打撃をこうむっている。日本の国内総生産(GDP)2008年は0.7%下落、2009年には6.2%もの下落が見込まれ、2010年にわずかな回復が期待されている。一方で米国は、少なくとも一部の経済指標によれば、回復の兆しが見られる。

 
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