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環境・科学技術

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エネルギー問題

エネルギーは生命にとって欠かすことができない。生き物は環境の中を還流するエネルギーを利用し、自分達が使える形に変える。生き物にとって最も基本的なエネルギーの流れは日光であり、最も重要な変換は生物学的一次生産の活動であり、そこで植物や海中の植物性プランクトンが光合成によって日光をバイオマスに転換する。人間も含めて地球の生命の網は、この基盤の上に成り立っている。

米国は常に資源に恵まれてきたが、1776年、イギリスから国家として独立を宣言した当時、まだほとんどすべてのエネルギーは筋力か薪で供給されていた。米国の石炭や石油など膨大な埋蔵資源は未開発で、大半が未発見であった。少量の石炭がコークス作りに使われていたが、コークスは戦争の勝利に貢献する大砲を撃つために欠かすことのできないものである。水車は水力を利用したし、風はもちろん船による輸送を可能にした。

薪の使用量は米国経済の発展と歩みを合わせて拡大していったが、全般的にはエネルギーの慢性的不足から、他のエネルギー資源も模索されるようになった。19世紀のはじめの30年間、石炭が溶鉱炉やイルミネーション用の石炭ガスの製造に使われ始めた。天然ガスも当時は、照明の限られた分野でしか利用されていなかった。電気でさえ特定分野を追求した。たとえば1840年代、1850年代には、バッテリーで動く電車で実験が行われていた。それでも数十年間は、筋力が重要なエネルギー源であった。綿繰り機や刈取り機など、数々の機械的な技術革新は出現したが、それらは機械力の発達を促すというより、人や動物の筋力の生産性を増大させる効果があった。あらゆるタイプのエンジンがもたらす総生産高が動物のそれを上回ったのは、19世紀半ば以降のことであった。

西部への拡大が状況を変えた。鉄道が大平原や山を越えて西へと展開するにつれ、東部沿岸地域に大量の薪が放置された。石炭の魅力はいっそう高まった。それは埋蔵石炭が、しばしばあらたに鉄道敷設権を得た沿線の近くで見つかったからでもあり、石炭の高いエネルギー含量が蒸気機関車の輸送範囲と積載量を増大させたからでもある。鉄道が数千マイルに及ぶ新たな軌道を敷設しており、また金属産業はレールや釘を製造するための鉄や鋼を作るためコークスの廉価な原料を必要としていたので、石炭に対する需要が増大した。19世紀後半には、全般に運輸部門と工業部門が急速に成長し始め、石炭はその成長の火付け役になった。

石油は発光体や特許薬の成分として出発し、暫くの間は、燃料としては定着していなかった。第一次世界大戦の終わり頃、石炭はまだ米国の総エネルギー使用量の75%を占めていた。ほぼ同じ時期、馬とミュールの頭数は2600万頭に達し、その後は永久的な下降線に入った。筋力からの移行の初期は終わった。

工業化が進展するなかで、米国のエネルギーに対する渇望は驚異的なほどで、1880年と1918年とではおよそ4倍になった。石炭がこの伸長の大部分を支え、一方電気も用途や総使用量において同様の拡大を示した。石油は、1901年テキサス州の広大なスピンドルトップ・オイル・フィールドの発見、さらに1918年には生産台数数百万台に達する自動車の大量生産の出現が強力な後押しになった。

第2次世界大戦から数年で、“オールド・キング・コール”は米国の燃料使用量首位の座を明け渡した。鉄道はガソリンやディーゼル燃料で走るトラックに仕事を追われ、また鉄道自体がディーゼル機関車に転換し始めた。労働争議や安全基準も石炭の生産コストを上昇させた。発光体としての天然ガスに対する需要が減退したため、天然ガス業界は他にマーケットを求めざるを得ず、また暖房機器への潜在需要が明白だったので、天然ガスは多くの家庭のレンジやかまどで石炭にとって変わった。それでも、石炭産業は生き延びた。主に全土に及ぶ電化が、水力発電や石油を燃やす発電との局地的な競合にもかかわらず、電気器具に、石炭に対する新たな需要を呼び起こしたからである。

今日、米国で生産される大半のエネルギーは、他の先進諸国と同様に、石炭、天然ガス、原油、液体天然ガスプラント等の化石燃料から得ている。米国のエネルギー生産には様々な形態があるが、化石燃料を合わせたものが、他のすべてのエネルギー源をはるかに上回る。2000年では、化石燃料の合計がエネルギー生産全体の80%を占め、推計1480億ドル(名目ドル)にのぼると算定された。

 – From “Energy in the United States: 1635-2000,” U.S. Department of Energy

 
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