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予備選挙と党員集会 ― 早わかり「米国の選挙」

Q: 予備選挙と党員集会はどう違うのか?

A: 予備選挙と党員集会はその仕組みと参加者に違いがある。そして参加率は大きく異なる。

予備選挙: 他の選挙と同様、州政府が資金を拠出して実施する。有権者は投票所に行き、投票を行い、退出する。投票は無記名ですぐに終わる。政党に登録した人だけが参加できる「閉鎖型」予備選挙を実施する州もある。例えば、民主党の閉鎖型予備選挙で投票できるのは、民主党員として登録した人だけである。開放型予備選挙は、支持政党の有無にかかわらず、全ての有権者が参加できる。

党員集会: 各州の政党が開催し、忠実な党員が党の指名候補として支持する人物に代わって意見を述べる。集会は地域のイベントとして開催され、参加者は公開で投票を行う。党員集会は、熱心で組織された支持者を擁する候補者に有利になる傾向がある。というのも、こうした支持者は党員集会を利用して、全国大会に向けて自分たちが望む大統領候補への支持を誓約する代議員を選べるからである。党員集会の参加者はまた、州または全国の党綱領に盛り込みたい問題を特定し優先順位をつける。党員集会への参加には、政治活動への深い関与と多くの時間が求められる。その結果、党員集会は予備選挙よりも参加者が少ない。

 

Q: 予備選挙または党員集会を実施する州の数と実施時期

A: 歴史的に見ると、大統領選挙の予備選挙または党員集会を実施した州はごく少数であった。しかし、大統領候補指名プロセスへの有権者の参加は、これまでずっと拡大する傾向にある。

予備選挙または党員集会を実施する州の数は、1970年代に増加し始めた。現在、全米50州とコロンビア特別区で、大統領選挙の予備選挙または党員集会のいずれかが実施されている。

予備選挙か党員集会かを決めるのは各州の政党だが、長い間に一方の方式から別の方式へ変更した州もある。

予備選挙と党員集会の両方を行う州もある。例えばアラスカ州とネブラスカ州では、共和党は予備選挙を実施するが民主党は党員集会を行う。ケンタッキー州では民主党が予備選挙を行うのに対し、共和党は党員集会を開く。

長年にわたり、アイオワ州は通常大統領選挙の年の1月または2月初めに、全米で最初に党員集会を実施しており、その後すぐにニューハンプシャー州が最初の予備選挙を行う。

この2つを含む緒戦で、大統領選を戦う支援を十分に得ていない候補者が明らかになることが多い。そのため候補者は、早い時期に党員集会や予備選挙を実施するこれらの州に多大な労力をかけ、州のニーズや関心事項に対処する。また小さな州でも運動を組織し、スタッフやメディア、ホテルなどに資金を使う。その結果、冬の間に予備選挙や党員集会の予定を組む州がますます増えている。また多くの州が予備選挙または党員集会を同じ日に実施している。

2大政党は最強の候補者を選出できるよう、規則に変更を加えることがしばしばある。

例えば2016年、共和党は3月15日以降に予備選挙を行う州については、代議員に「勝者総取り」を認めることにしている。これにより、例えば候補者が8人いる中で、最多の票を得た候補者は、その得票数がたとえ全投票数の25%にしか相当しない場合でも、その州の全代議員を獲得できることになる。

予備選挙と党員集会の拡大と前倒しの主な結果として、2大政党が指名する大統領候補は夏の終わりに開かれる全国大会以前に判明するようになっている。これにより全国大会は重要性が薄れ、儀式的イベントの意味合いが濃くなった。

  • ニューハンプシャー州は、大統領選挙の年の1月または2月に全米で最初の予備選挙を行う。
  • 現在、全米50州とコロンビア特別区で、予備選挙または党員集会のいずれかが実施されている。

 

Q: 各州の予備選挙および党員集会の開催状況

A: 党員集会では登録した党員だけが投票できるが、誰でも党員集会の会場で入党できる。閉鎖型予備選挙では登録した党員だけが投票できるが、開放型の予備選挙では有権者登録をしていれば誰でも投票できる。

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