About THE USA

国務省出版物

« CONTENTS LIST

政党 ― 早わかり「米国の選挙」

Q: 米国にはなぜ主要政党が2つしかないのか?

A: 米国憲法の起草者たちは、政党のことを想定していなかった。しかし選挙権が拡大し、国家が西方へと広がるにつれ、政党が出現した。

1830年代までには、民主党とホイッグ党という2大政党が確固たる地歩を築き、強大な力を持つようになった。 

今日では、共に18世紀から19世紀にかけて存在した前身政党を受け継ぐ共和党と民主党が、政治プロセスを支配している。 

ときに例外はあるものの、大統領、連邦議会議員、知事、州議会議員は、主にこの2大政党から選ばれる。1852年以後の大統領は全て、共和党員か民主党員である。

全米50州で、民主党員でも共和党員でもない知事が選ばれることはめったにない。また、連邦議会や州議会でも、無所属や第3党の議員の数は極めて少ない。

なぜ小政党が増えないのだろうか。多くの政治専門家はその要因として、米国の「比較多数得票方式」選挙を挙げる。この方式では、得票数が投票総数の過半数に満たない場合でも、最も多くの票を得た候補者が当選する。この方式と違って、政党の得票数の割合に応じて議席数を割り当てる国では、小政党を結成して選挙戦に参加するインセンティブがより強く働く。米国の制度では、政党はその候補者が最も多くの票を獲得しないかぎり議席を得られない。これにより、小政党が選挙で勝つことが難しくなっているのである。

• 19世紀から、ロ バとゾウはそれ ぞれ民主党と共 和党のシンボル になっている。

• 1852年以後の 大統領は全て、 共和党員か民主

 

Q: 民主党にも共和党にも属さない米国民はどうするのか?

A: ここ数十年、政治的に「無所属」または支持政党がないと考える有権者が増えている。 

しかし、世論調査によると、こうした無党派層のほとんどは、共和党寄りまたは民主党寄りのいずれかの傾向があることが分かっている。小政党に所属している人もいる。支持政党の有無にかかわらず、18歳以上の全ての米国民は地方、州、大統領選挙で投票する権利を有する。

2大政党制の下で、そのいずれの政党にも所属していない米国人の考えはどのように反映されるのか? 2大政党のどちらも、自分が望む政策や考えを推進していないと米国民が感じる場合もある。こうした人々がとり得る戦略のひとつとして、自らの考えが支持されていることを実証するために新たな政党を結成することがある。その好例が、1892年に不満を持つ米国人が結成した人民党(Populist Party)である。同党の綱領は、累進所得税、上院議員の直接選挙、1日8時間労働を要求していた。人民党員が大統領職に就くことはなかったが、民主・共和両党はこの新党が支持を伸ばしていることに気づき、人民党の考えの多くを採用するようになった。やがてこうした考えが、米国の法律になった。

• 2大政党のどちらも、自分が望む政策や考え方を推進していないと米国民が感じる場合もある。

 

目次に戻る

« CONTENTS LIST

Elections in Brief

Political Parties (PDF)