国務省出版物
スナップショットUSA – 米国の簡単ガイドツアー ― 南部
バージニア、ウェストバージニア、ケンタッキー、テネシー、ノースカロライナ、サウスカロライナ、ジョージア、フロリダ、アラバマ、ミシシッピ、アーカンソー、ルイジアナ、テキサス 主要都市:ジョージア州アトランタ、ルイジアナ州ニューオーリンズ、ノースカロライナ州シャーロット、フロリダ州マイアミ、テネシー州ナッシュビル、 テキサス州ヒューストン 文学者:ウィリアム・フォークナー、トマス・ウルフ、ロバート・ペン・ウォーレン、マーガレット・ミッチェル、テネシー・ウィリアムズ、トルーマン・カポーティ、フラナリー・オコナー、アリス・ウォーカー |
ニューイングランドもそうだったが、南部でも最初に住み着いたのは英国のプロテスタントだった。さらにフランスのプロテスタント(ユグノー派)も到来し、主にサウスカロライナに定住した。ルイジアナにフランス人が多かったのは言うまでもない。しかし、ニューイングランドでは本国との違いを強調する風潮があったのに対し、南部人は英国を手本とし見習おうとする傾向があった。とはいえ、独立戦争の指導者には南部人が傑出していたし、初代から5代までの大統領の4人までがバージニア出身だった。
岩の多いニューイングランドや、肥沃な盆地に自営農家が育っていった大西洋岸中部とは対照的に、南部は、大規模農場のプランテーションで北部やヨーロッパの市場に向けて生産する綿花やタバコなど労働集約的農業に大きく依存していた。プランテーション経営者はそれに必要な労働力を、アフリカから連れてこられた奴隷に頼った。しかし奴隷制は論争を呼ぶようになり、北部と南部の分裂を招いた。奴隷制は、北部人にとって社会的倫理に反することだった。南部人にとっては自分たちの生活様式に欠かせない制度だった。1861年、ついに南部11州が「アメリカ南部連合国」という新国家の設立を目指して米国から離脱した。これによって南北戦争が勃発し、南部連合が敗北して奴隷制は廃止された。この内戦の傷が癒えるまでには数十年かかった。
それでも、時を経て南部人もこうした対立を受け流せるようになり、20世紀後半には、「ニュー・サウス」のスローガンの下に地域の新しい誇りが表現されるようになった。そして南部は再び国内政治に影響力を持ち始めた。1976年以降の大統領は、ロナルド・レーガン以外は全員南部から輩出されている。ジミー・カーターはジョージア、ジョージ・ブッシュと息子のジョージ・W・ブッシュはテキサス、ビル・クリントンはアーカンソーの出身だ。また、サウスカロライナ州チャールストンで毎年開催される「スポリート・フェスティバル」や、ジョージア州アトランタで開かれた1996年夏のオリンピックなど、国際的なイベントも行われるようになった。
今日の南部は、製造、銀行、運輸などの産業が栄える豊かな地域に発展している。都市には高層ビルが林立する。温暖な気候のおかげで、米国の他地域やカナダから多くの引退者が移り住んでいる。引退者であれ、単に質のいい生活を求めている人々であれ、これら「サンベルト」にやってきた新しい住民たちは、ビジネス・チャンスと南部の伝統的生活様式や独特の趣きが現代風にミックスされた文化を発見している。
南部の文学、とりわけ20世紀における文学的豊かさは伝説的で、ミシシッピの生活を描いたウィリアム・フォークナーの小説や、テネシー・ウィリアムズの劇作、フラナリー・オコナーの短編小説は特に有名。
名物料理には、南部風フライドチキン、グリッツ、バーベキュー、ルイジアナのフランス料理やクレオール料理がある。
*上記の日本語文書は参考のための仮翻訳で、正文は英文です。
Snapshot USA
A Brief Tour of the United States – The South
The South consist of numerous states from Virginia to Texas