About THE USA

国務省出版物

« CONTENTS LIST

21世紀の農業 – 土と共に生きる

土と共に生きる

2007年「世界食糧賞」受賞者

人類学者たちは長年、文明発達の源は農業であったと信じてきた。果実を求めてひたすら歩き回る代わりに、食用植物を自らの手で育てることもできるこ とに気付いたとき、初期の人類の多くは遊牧生活を捨て、毎年同じ土地を耕すようになった。こうした定住生活様式と作物栽培によって、収穫物を交換したり 売ったりする必要性が生まれ、そこから市場、集落、町が形成されていった、と初期人類文明の研究者たちは考えている。

人類の歴史のなかで、農業は常に共同社会を作る役割を果たしてきた。人々は田畑での仕事を分担し、恵みと苦労を分かち合い、収穫をともに祝ってきた。

多くの国で、農業の機械化が進み、若者が機会を求めて都市部へ出て行くと、農村部の人口は次第に減少してきた。工業化が進んだ国では、生活様式とし ての農業の優位性は、徐々に小さくなってきている。人口統計学者の推計によれば、近年、世界の人口は都市生活者が農村部生活者の数を上回るという転換点を 迎えた。それでもなお多くの場所で、農村での共同生活は、家族やコミュニティーを結ぶきずなであり続けている。彼らは世界の人々の食糧、繊維、燃料を生産 し、私たちすべてを日々、はぐくみ、支えているのである。

 

wwwj-ejournals-agriculture6aインドのガウハーティ近郊で水田作業に向かう農民
(© AP Images/Anupam Nath)

 

wwwj-ejournals-agriculture6b
© AP Images/
Geoff Caddick PA Wire

ロンドンのトラファルガーホテル屋上に作られた菜園。市内各地に新たな菜園を作り、市民の手で自分たちや地域のための農作物を栽培しようという試みの一環 である。この「首都で食用植物の栽培を進める」計画では、市内100カ所に菜園を作るために資金援助と技術指導を行ってきた。

wwwj-ejournals-agriculture6c© AP Images/John Moore

インドのアラハバードで、キュウリを市場に運ぶ農場労働者。インドでは人口の半数以上が農業に従事しているが、農業がインド経済に占める割合は20%に満たない。

wwwj-ejournals-agriculture6d
© AP Images/Alex Brandon

2009年、ミシェル・オバマ米国大統領夫人は小学生をホワイトハウスに招き、菜園で一緒に野菜の植え付けを行った。ミシェル夫人は自ら、子どもの肥満を防止し、新鮮な食品を取り入れた健康的な食生活を推進する運動の先頭にも立っている。

wwwj-ejournals-agriculture6e© AP Images/Pavel Rahman

バングラデシュで米粒から、もみ殻を振り分ける村の女性たち。コメはこの国で最も重要な作物で、人口の約45%が農業に従事している。毎年、モンスーンの季節には国土のほぼ3分の1が浸水し、しばしば農作物に壊滅的被害をもたらし、農業インフラに多大な損害を与えている。

wwwj-ejournals-agriculture6f© AP Images/
Mohammad Abu Ghosh

ヨルダン南部の農地で昼食を分け合う女性たち。多くの国で、農業労働者の約半数は女性である。農産物の生産、加工、市場での売買など農業活動のすべての分野にわたり、女性たちは極めて重要な役割を担っている。

wwwj-ejournals-agriculture6gTed Spiegel/
National Geographic Stock

カナダのニューブランズウィック州にある農地で、収穫されたカボチャを運ぶ若者たち。農業がカナダ経済に占める割合はわずか2%だが、その広大な土地のお かげで、カナダは世界第2位の菜種(ナタネ)生産国である。菜種は飼料、植物油(キャノーラ油)、バイオ燃料の原料となる。

wwwj-ejournals-agriculture6h© AP Images/
Qiu Wenshan/Imaginechina

中国江蘇省で刈り取り機を使って小麦を収穫する農業労働者。中国は世界最大の穀物生産国。世界第1位の14億人に迫る人口を養っていくため、さらなる生産量の増加を目指している。

wwwj-ejournals-agriculture6jJohn Eastcott & Yva Momatiuk/National Geographic Stock

ポーランドのタラ山脈の麓にある農場で働く一家。ポーランドは国土の約60%を農地が占め、ベーコン、ハム、冷凍果実・野菜の輸出大国である

wwwj-ejournals-agriculture6k© Russ Munn/AgStock Images/CORBIS

米国アイオワ州で、大豆畑を見渡す農場主とその妻。中西部に位置するアイオワ州には8万8,000以上の農場があり、この夫婦が所有するのは、そのうちの1つである。

wwwj-ejournals-agriculture6m© AP Images/Paulo Santos

ブラジルのパラ州にあるカカオ農園で作業する農園主。ブラジルは世界の主要な食糧供給国で、国内総生産(GDP)の28%を農業食品部門が占める。近年、 経済と貿易の安定と規制改革が農業の発展を促し、生産高を増加させている。ブラジルは砂糖、エタノール、牛肉、鶏肉、コーヒーの主要生産国で ある。

wwwj-ejournals-agriculture6n© AP Images/Ramakanta Dey

インドのアガルタラでわらの束を市場に運ぶ農民たち。わらはインドでは家畜飼料として利用される。インドの農家は、レモン、ライム、その他のトロピカルフルーツの生産で世界をリードしている。

wwwj-ejournals-agriculture6pKenneth White/
U.S. State Department

ヨルダンで羊の乳を搾る羊飼い。羊乳はヨルダンの農産物で生産高第4位の製品である。ヨルダンでは、農業が経済的に重要であることに変わりはないが、工業部門、サービス部門の拡大によって、農業が国民総生産に占める割合は減少しつつある。

wwwj-ejournals-agriculture6qKenneth White/
U.S. State Department

コミュニティー農園では、多種多様な人々の出会いがある。この写真のバージニア州ロアノケのコミュニティー農園では、労働者階級の人々が住む地域にあるス ペースを、40人が共用している。この農園の創設者、マーク・パウエル(中央)とジュディ・パウエルと挨拶を交わすブルンジからの難民、シェメジマナ・エ ゼキエル。

wwwj-ejournals-agriculture6r
© AP Images/Greg Baker

中国広西チワン族自治区で、野菜畑の水まきをする女性。水は背景に見える湖からバケツで運んでくる。中国は、ニンジン、カブ、ナス、カボチャ、タマネギなど、さまざまな野菜の主要生産国である。

wwwj-ejournals-agriculture6s
© AP Images/Seth Perlman

米国イリノイ州で、種まき機に取り付けられた箱から大豆の種をすくい上げる農業労働者。この種まき機は、複数の列の種まきを同時に行うことができる。この 男性は525ヘクタールの所有地で、トウモロコシと大豆を栽培している。イリノイ州はその面積の80%近くが農地であり、7万5,000以上の農場に分割 されている。イリノイ州の年間90億ドルの農業生産額のうち、約3分の1を大豆が占めている。


出典:eJournal “21st-Century Agriculture”
*上記の日本語文書は参考のための仮翻訳で、正文は英文です。

« CONTENTS LIST