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最良の燃料としてのエネルギー効率 – はじめに

はじめに

 

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エネルギー、環境、経済。これら3つの力はいずれも生活水準と生活の質に影響を及ぼしており、これは最古の人類が火をおこし、大地から収穫を得るす べを学んだときから変わらない。21世紀に入り、この3つの力の均衡を注意深く保つ必要が、新たな緊急性を帯びてきた。「工業化時代」以来生産性向上に拍 車を掛けてきた炭素系燃料は、その供給量が減少し、気候変動の原因となり、世界経済に影響を与えている。

炭素系燃料に代わるクリーンで再生可能なエネルギー源の大規模開発が、多くの分野で進められている。こうした努力によって代替エネルギーの大規模な 生産・分配手段が見いだされるまでは、既存のエネルギーを効率的に利用することが、将来のエネルギー需要を満たす最も迅速で費用の掛からないクリーンな方 法であると認識されている。

創造性、ダイナミズム、新しいものを進んで取り入れる意欲など、国家としての米国の強みは、移民によってこの国にもたらされた多様性に起因するところが大きいという意見がある。私たちも同感である。

現在のエネルギーの消費方法から、より生産性の高いやり方に変えることができれば、エネルギー生産量を増やす必要はない。その意味で、エネルギーの 効率化は、他のいかなるエネルギー生産方法よりもコストが掛からず、すぐにも実行しやすい。またエネルギーの効率化は、有害ガスの排出量を増加させないた め、最もクリーンなエネルギーの調達方法でもある。

 

wwwj-ejournal-energy-cover1a米国の配電網は約48万3000kmに及ぶ送電線の迷路となっている。その基本構造は1世紀以上もほとんど変わらず、効率改善は重要な優先課題となっている。(© AP Images/Mark Duncan)

世界的に見ると、エネルギー需要は増加し、このままの方向で進めば需要に応じた供給を維持することができないと予測されており、エネルギーの効率化と省エネルギーが需要の増加を減速させる上で重要な役割を果たすことになる。

米国は、エネルギー源を確保する方法として効率化を推進する取り組みで、大きな実績を残している。米国エネルギー情報局によると、国民が1ドル相当の財・サービスを産出するために消費するエネルギーは、1970年以降50%以上減少している。

エネルギー効率をさらに高めることによって、より大きな成果を上げることが可能である。本号では、この目標の達成に向けて個人、組織、政府が実施している数多くの戦略の一部を紹介する。

エネルギー効率化を目指す全国各地の計画には、米国の複雑なエネルギー生産・規制システムに関係するあらゆる組織や団体が関与しており、本号では、 政府関係者がその計画の目標について語っている。また産業界、政府、消費者が協力して推進している「エネルギースター」プログラムは、米国内外で家庭や企 業におけるエネルギー効率の向上を目指す取り組みである。地方自治体もまた海外に目を向け、欧州のエネルギー効率向上に関する事例を学んでいる。消費者 は、エネルギー効率化の倫理を創意に満ちた姿勢で受け入れ、それぞれの地域社会でこの問題に対する認識を深めている。このほか本号では、文化規範の違いが エネルギー効率化戦略の有効性にどのような影響を及ぼすことがあるか、国際的な視点に立つ専門家たちが説明している。

オバマ政権は今年初めに可決された景気刺激策において、エネルギー効率化プログラムへの政府支出を約170億ドル増額し、エネルギー効率化という資源調達法の活用が国家的課題であることをあらためて確認している。

 

エネルギー効率化のホント

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(© Patrimonio Designs Limited)

省エネとは、使用する電力の節約につながるあらゆる行いを指す。エネルギー効率化とは、同じ機能を実現するのにより少ない電力を使う技術を使用することを指す。 出典:全米エネルギー教育開発プロジェクト(別名NEEDプロジェクト。このプロジェクトは、社会においてエネルギーに対する意識を高めることを使命としている。NEEDプロジェクトは学生、教育者、産業界、政府、コミュニティ指導者たちのネットワークをつくり、エネルギー教育プログラムを企画・提供している。)


出典:eJournal “Energy Efficiency: The First Fuel”
*上記の日本語文書は参考のための仮翻訳で、正文は英文です。

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