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米国でお会いしましょうー雰囲気の変化

雰囲気の変化
ジェーン・レビア
 

セキュリティーの向上、経済の低迷、インターネットなどによって、米国を訪れる外国人の体験が変化していますが、改善された点もたくさんあります。ジェーン・レビアは交通・旅行ジャーナリスト。

デジタル方式の指紋採取、ドルの為替レートの変動、インターネット上の大量の情報などにより、2010年に米国を訪れる外国人は、21世紀初めに訪れた人とは異なる体験をしています。

こうした変化は、旅行者が自国を出発する前からはっきりと表れています。

2004年、米国国土安全保障省(DHS)―2001年の9.11テロ攻撃後、2002年後半に立法によって設立された連邦政府組織―は、米国のパスポートまたはビザを持たない外国人の訪問者に対して、生体認証機能を備えた新しい一連の手続きを行うことを定めました。

具体的には、これらの訪問者がビザを申請する際、面接担当官による申請書とその関係書類の審査、デジタル方式の指紋採取とデジタル写真の撮影が行われます。

最近、こうした面接の待ち時間が著しく短縮されています。米国旅行産業の業界団体「USトラベル」のジェフ・フリーマン広報担当部長によれば、過去には待ち時間が100日を超えていましたが、現在は30日未満ですむ申請者が多くなっています。

ビザ免除プログラム(VWP)とは、セキュリティー等のさまざまな要件を満たす国の国民が、滞在期間90日以下の商用または観光目的で渡米する場合、ビザが免除されるという制度ですが、現在この制度は36カ国に適用されています。VWP参加国は次のとおりです。アンドラ、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、ブルネイ、チェコ共和国、デンマーク、エストニア、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、アイスランド、アイルランド、イタリア、日本、ラトビア、リヒテンシュタイン、リトアニア、ルクセンブルク、マルタ、モナコ、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、ポルトガル、韓国、サンマリノ、シンガポール、スロバキア共和国、スロベニア、スペイン、スウェーデン、スイス、英国。

VWP参加国からの旅行者は、国土安全保障省のオンラインによる電子渡航認証システム(ESTA)の認証を受けなければなりません。ESTAは、その旅行者が航空機や船に搭乗する前に、VWPに基づいて米国を旅行する資格があるかどうか、そしてその旅行が何らかの法律執行上や保安上のリスクをもたらすかどうかを確認するものです。

外国人旅行者は米国に到着したら、ビザを持っている場合は白い用紙のI-94、VWP参加国の旅行者ならば緑の用紙のI-94Wを、税関国境警備局(CBP)の警備官に提出しなければなりません。警備官は米国滞在についていくつか質問し、指紋を採取し、デジタル写真を撮ります。なお、まもなく、ビザを必要としないVWP旅行者も料金の支払いが義務づけられる予定です。警備官はI-94かI-94Wを確認した後、その一部を旅行者に渡しますので、旅行者はそれを保存し、米国を出国するときに警備官に返します。

2007年、米国議会は「モデル入国港」プログラムに対して4,000万ドルの支出を承認しました。このプログラムの目的は、外国からの入国者が最も多い20の国際空港で、外国人旅行者が到着時に体験する状況を改善することです。そのために、米国20カ所の国際空港における職員配置の改善、待ち行列の管理の向上、看板・標識の充実、インフラの整備、そして税関国境警備官を少なくとも200人増員することを目指しています。

世界経済の変化もまた、米国を訪れる外国人の旅行に大きな影響を及ぼしています。

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米国では、航空会社の世界的急増と、新しい路線への経済的・効率的な航空機の使用とが活性剤となって、米国系・非米国系を問わず、かつてないほど多くの空港へ乗り入れる航空便が増えています。アメリカン航空やコンチネンタル航空、デルタ航空などの米国系航空会社は、特にヨーロッパとアジアへ乗り入れる国際線を積極的に拡大しており、その一方で、英国航空、ルフトハンザ航空、シンガポール航空などのヨーロッパやアジアの航空会社は、米国への路線を新たに追加したり、すでに就航している路線で増便したりしています。さらに、米国はEUおよび日本と、航空便に関する規制を撤廃する「オープンスカイ」協定を結んだため、EUと日本双方からの米国行きの便が増えています。

為替レートの変動は予測がつきませんが、自国の通貨がドルに対して値上がりしている国の旅行者にとっては、米国はこれまでよりはるかに安上がりに旅行できる国になっています。ニューヨークやサンフランシスコなど、以前はかなり高くついた人気の目的地も、今ではより手ごろな費用で訪れることができます。

米国の景気低迷もまた―少なくとも当面は―ホテルの空室率を上昇させており、多くのホテルが室料を大幅に値引きしているため、これも外国人旅行者にとってはプラス要因になっています。

グローバル化のおかげで、米国は国際見本市の開催地として魅力を増してきました。ラスベガス観光局のロッシ・ラレンコッター局長兼最高責任者の話では、全米放送事業者協会( N A B )の年次総会とコンシューマー・エレクトロニクス・ショー(全米家電協会主催)は、どちらもラスベガスで開かれるイベントですが、外国からの参加者が増加しているということです。

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外国人旅行者にとって米国が行きやすい目的地になってきたもうひとつの要因はインターネットだ、と述べるのはNYC&カンパニー(非営利団体)のフレッド・ディクソン観光開発担当部長です。「これまでになく多くの情報が発信され、消費者と直接つながる予約ルートがあるので、消費者は家庭から予約できますし、電話でも予約できるんです」

インターネットで米国旅行の情報を調べるなら、何と言っても「ディスカバー・アメリカwww.discoveramerica.org」がお薦めです。これは2009年にUSトラベル(全米旅行産業協会)と米国商務省によって開設されたウェブサイトで、アメリカン・エクスプレス、フォドーズ(ガイドブック出版社)、トラベロシティー(オンラインの旅行代理店)、グーグル、ウェザー・コム、各州の観光庁、目的地となる地元の観光局、その他いろいろな組織から集めた情報を、英語、スペイン語、ドイツ語、日本語、フランス語で提供しています。


*本稿に示された意見は、必ずしも米国政府の見解や政策を反映するものではありません。


*上記の日本語文書は参考のための仮翻訳で、正文は英文です。

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