About THE USA

国務省出版物

« CONTENTS LIST

米国でお会いしましょう – 一流校リストの問題点

一流校リストの問題点
バートン・ボラーグ
 

一流校リストは、米国の大学の計り知れない多様性を反映しておらず、また、学生にとってどの学校が最も適しているかを示してはくれません。バートン・ボラーグは元クロニクル・オブ・ハイヤー・エデュケーション紙記者。

米国には正式に認可された大学やその他の高等教育機関がおよそ4,000あります。大規模な研究を行う総合大学から、小ぢんまりとした温かい雰囲気のリベラルアーツ系単科大学まで、実に多種多彩な教育を提供しています。世界中の学生たちがどの国よりも米国に引きつけられるのは、こうしたことも一因になっている、と国際教育研究所(米国と他の国との双方向の学生交流を促進する非営利団体)のアラン・E・グッドマン所長は語っています。

「米国のエリート教育プログラムは世界のトップレベルにあるけれども、米国の高等教育システムの他に類を見ない長所は、その多様性にあるのです」とグッドマン所長。 どの教育機関が優れているか、その順位を示す公式のランク付け方式はありませんが、雑誌や団体が独自にまとめる非公式の格付けがいくつかあります。しかし教育専門家たちは、こうした格付けリストを利用することに警鐘を鳴らし、ある学生にとって最適の選択が別の学生にとっても最適とは限らないと力説しています。

米国にはあらゆるタイプの教育機関が広く分散して存在しています。ニューヨークやシカゴやロサンゼルスなどの、大都市の刺激と豊かな文化的活動を与えてくれるキャンパスがいいという学生もいるでしょう。一方、田舎ののどかさや美しさが好きな学生は、静かな森と雪の冬を楽しめる北東部か、亜熱帯のフロリダか、乾燥した大地が広がる西部か、海岸のそばに山のある太平洋沿岸を選ぶかもしれません。

バスケットボール、アメリカンフットボール、テニスなどのスポーツ教育プログラムの充実した大学もあります。あるいは、損なわれていない自然や、水泳やヨットを楽しめる海や湖に近い大学もあります。

特定の学問分野に強いという教育機関も多く、そうした分野に興味のある学生に適した選択肢となるでしょう。

米国ではしばしば、カレッジ(主に単科大学)とユニバーシティー(総合大学)という呼び方が、区別のない交換可能な用語として使われていますが、一般的にカレッジはユニバーシティーより小規模で、主として学士号を授与するのに対して、ユニバーシティーは大学院の学位も授与します。決してカレッジがユニバーシティーより劣っていると考えられているわけではありません。

総合大学には公立もあれば私立もあります。私立で非営利の総合大学の中には、ハーバード、プリンストン、エールなどの有名校も含まれます。公立の総合大学は、50州の1つや一部の都市によって創設され、助成金を交付されています。公立校は(学生数が2万人を超える)大規模な大学が多く、概して私立校より学費は安くすみますが、州外や外国から入学する学生の学費は、地元の学生より高くなります。

総合大学では、教授は最先端の研究に携わっているかもしれません。しかし、学部のクラス、とりわけ1年生と2年生のクラスは大人数になりがちで、教授ではなく大学院生が教えることもあります。

リベラルアーツカレッジになると、クラスは少人数で、教授が学生と過ごす時間も増える傾向にあります。

テクノロジー、アートやデザイン、医療といったように、特定の専門分野に特化した大学もあります。その多くは私立校です。

特定の宗教的伝統と関連のある大学も数百校ありますが、そのほとんどが、宗教的背景を問わず学生を受け入れています。米国にはまた、歴史的に黒人のために開かれた大学が数十校あり、学生の大部分がアフリカ系米国人です。

コミュニティーカレッジは幅広い分野で2年間の学位課程を提供しており、中には集中英語教育を実施しているところもあります。そこでは最も費用のかからない中等後教育を受けることができます。首尾よくコミュニティーカレッジの課程を終了した学生は、多くの場合、4年制の大学に編入して勉強を続けられます。

 


*本稿に示された意見は、必ずしも米国政府の見解や政策を反映するものではありません。


*上記の日本語文書は参考のための仮翻訳で、正文は英文です。

 

« CONTENTS LIST