国務省出版物
核兵器のない世界 – 核分裂と核融合
脅威と約束
核分裂と核融合
地図上でブラジルのウラン鉱山を指差すロベルト・アマラル大臣。ブラジルは、核拡散防止規則 の強化に抵抗する可能性が高い主要国のひとつである (© AP Images/Victor R. Caivano)
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核兵器は、核分裂および核融合という様式の異なる反 応を利用して、核連鎖反応の急激な増加を引き起こす。
核分裂爆弾は、原子爆弾と呼ばれることが多いが、中 性子がウランやプルトニウムの同位体などの核分裂性物 質に衝突して、その同位体の原子をさらに軽い元素に分 裂させ、その過程で大量のエネルギーを放出すること よって、爆発を起こす。
核分裂爆弾には2 つのタイプがある。ひとつは砲身方 式の装置であり、起爆剤を使って、核分裂性物質の塊を 別の塊に撃ち込む。第2 次大戦中に広島に投下された爆 弾はこのタイプのものである。もうひとつは、爆縮方式 の装置で、化学爆薬を使ってプルトニウムを臨界密度に 達するまで濃縮し、連鎖反応を生じさせる。長崎に投下 された爆弾はこのタイプのものである。
核分裂爆弾が放出するエネルギー量は、TNT 火薬換 算で最大約50 万トンに上る。広島を破壊した核分裂爆 弾の威力は、TNT 火薬換算で1 万5000 トンと推定され ている。
核融合爆弾は、熱核装置および水素爆弾としても知ら れているが、その破壊力は核分裂爆弾を大きく上回る。 米国が「水爆」を初めて爆発させたのは1952 年、ソ連 は1953 年であった。これまでに爆発実験が行われた核 融合爆弾の中で最大のものは、ソ連が1961 年の実験で 使った「ツァーリ・ボンバ」で、TNT 火薬換算で5000 万トンに相当するエネルギーが放出されたと推定されて いる。
核融合爆弾は、実際には核分裂と核融合により作動す る。一般的な2 段階核兵器では、まず、核分裂性物質を 爆発させて、水素同位体であるトリチウム(三重水素) やジュウテリウム(重水素)などの核融合燃料を圧縮し、 数千万度まで加熱する。第2 段階では、太陽における場 合と同様に、核連鎖反応によって水素原子がより重いヘ リウム原子と融合する。この過程で膨大な量のエネルギーが放出される。
出典:eJournal “A World Free of Nuclear Weapons”
*上記の日本語文書は参考のための仮翻訳で、正文は英文です。
Fission, Fusion
Fission, Fusion
Nuclear weapons can achieve their destructive power in two different ways.