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ボランティア精神 – はじめに

wwwj-ejournals-volunteerism-cover米国では誰が献血をするのだろうか。誰がボーイスカウトを引率するだろうか。年末年始の休暇期間に病院で聖歌を歌うのは誰だろうか。消防や救急活動は誰がしているのだろうか。答えはボランティアである。米国ではボランティアが日常生活の中に溶け込んでいるため、ふだんはその存在が見過ごされてしまうことも多い。

 

『eJournal USA』本号が取り上げるのは、無償の労働を通じて、年間に約1,730億ドル相当の貢献をしている無名の市民たちである。これらの市民は、米国社会に深く根付いているボランティア活動という伝統の一端を示しているに過ぎない。例えば、消防はボランティア活動の初期の一形態であり、1736年にベンジャミン・フランクリンがフィラデルフィアに導入した。この画期的な発想は急速に広まり、わずか数年のうちに、北米大陸東海岸の各都市がボランティアで構成される消防隊を持つようになった。

 

こうしたボランティア活動の伝統は、今日も、大小さまざまの地域社会できわめて多様な形で積極的に受け継がれている。一方、インターネットは、ボランティア活動に新たな展望を開き、在宅のまま世界各地の人々を支援することも可能になっている。そして、このボランティア

 

精神の伝統を体現している人たちがいる。例えば、自然災害に見舞われた地域で医療活動に従事している人たち、父親のいない少年たちの相談相手を務めているバージニア州アレクサンドリアの「グランドファーザー」たち、遠い国から来た難民が米国で新たな生活を築くのを支援しているボランティアたち。本号では、こうしたボランティアたちの話、そして彼らが支援の手を差し伸べている人たちの話を詳しく紹介する。

 

編集部

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The Spirit of Volunteerism

Editor's Note