GUIDE#05

大学院留学

pct_gs01学士号を取得した後、さらに高度な専門知識をつけたいと望む方にとって、アメリカの大学院教育は極めて価値の高いものと言えるでしょう。アメリカの大学は教授陣や研究施設の質が高いことでよく知られていますが、実際多くの大学院で様々な分野での最先端の学術研究が行われており、時代の変化に即した教育を受けることができます。

 

アメリカの大学院で取得できる学位は「修士号」と「博士号」の2種類。どちらも研究と講義履修の両方を必要とします。

  1. 1.修士課程
  2. 2.博士課程
  3. 3.客員研究員として学ぶ
  4. 4.入学資格と出願手続
  5. 5.認定
  6. 6.費用
  7. 7.奨学金
  8. 8.キャンパス内の雇用とOptional Practical Training (OPT)
  9. 9.住居
  10. 10.ビザ
  11. 11.役に立つリンク

1. 修士課程

修士課程プログラムは、主に「学術系」と「専門職系」の2つに大別できます。

 

1-1. 学術系プログラム

学術系プログラムはAcademic Masterとも呼ばれ、修了すると、人文・社会科学分野で文学修士号(Master of Arts=M.A.)が、理学・工学・応用化学分野では理学修士号(Master of Science=M.S.)の学位が授与されるのが一般的です。学術系修士プログラムの修了には1〜2年かかり、修士論文の提出が必要なプログラムと、必要とされないプログラムがあります。修了後は、そのまま博士課程に進学できる場合もあります。

 

1-2. 専門職系プログラム

専門職系プログラムは、特定分野の職業に就くことを目的としたものです。こうした専門職系プログラムの修士号には、「経営学修士号(Master of Business Administration=M.B.A.)」「ソーシャルワーク修士号(Master of Social Work=M.S.W.)」「教育学修士号(Master of Education=M.Ed.)」「美術学修士号(Master of Fine Arts=M.F.A.)」等があります。

 

専門職系修士号のプログラムは学術系修士課程のプログラムより厳格に体系化されているため、ある程度決められたコースにそって履修するケースが主流となっています。学位取得期間は教育機関や分野によっても違いますが、卒業までに1〜3年ほどかかるのが一般的です。


2. 博士課程

博士課程は、研究者の養成や将来の大学教員の育成を目的としています。博士号の取得は、学生が特定の専門分野で訓練を積んだ研究者であることを証明するものと言えるでしょう。学問分野で授与される最も一般的な博士号は「Ph.D.(Doctor of Philosophy)」です。専門職分野では、「教育学博士号(Doctor of Education=Ed.D.)」や「経営学博士号(Doctor of Business Administration=D.B.A.)」などがあります。プログラムによっては、大学の学部課程修了後に、修士課程を経ずに、直接博士課程に進むことができます。


3. 客員研究員として学ぶ

アメリカの多くの大学では、博士号取得後も、希望すれば研究を続けられるチャンスがあります。また、単位取得を目的とせず、大学院レベルの講義を聴講する「客員研究員」を歓迎している大学もあります。この場合も、大学の研究施設を研究のために利用することができます。客員研究員になるための一般的な資格要件は、各大学のウェブサイトで確認することができます。詳しい情報や出願手続きについては、その大学の留学生担当オフィスや当該学科に直接問い合わせてみるといいでしょう。

 

客員研究員の場合、学費は自己負担するか、外部の援助団体から助成金を受ける必要があります。各種の財団や基金の中には、芸術、自然科学、人文科学、健康などの分野での研究をサポートするために助成金を支給しているところもあります。


4. 入学資格と出願手続

アメリカの大学院に出願する際には、一般的に下記の書類が必要となります。

  • 入学願書
  • 成績証明書
  • エッセイ(志願動機説明書)
  • 推薦状
  • 入学適性試験のスコア(GREGMATLSATTOEFLなど)
    • ※GRE=Graduate Record Examination
    • ※GMAT=Graduate Management Admission Test(主にMBAなどビジネススクールに応募する際に必要となります。)
    • ※LSAT = Law School Admission Test
  • 履歴書
  • 財政能力証明書

 

ほとんどの大学院では、大学在学中の成績が米国式評価にして平均B以上を受けていることを基準としています。学業成績の他、これまでの研究実績や関連する職務経験も、合否の判断材料として考慮されます。

 

入学資格について詳しくは、「米国留学に必要な条件について」をご覧ください。

また、出願手続に関する詳しい情報は、「出願手続きと合否の通知」をご覧ください。


5. 認定

アメリカの大学の教育の”質”を判断する上で重要な指標となるのは、その学校の認定状況です。日本と違って、アメリカには教育機関を認可する中央政府官庁がありません。その代わりに、学校が一定の教育水準を満たしていることを保証する民間の認定団体があり、こうした団体の持つ認定制度によって教育の質を維持しているのです。大学の認定制度について詳しくは「認定制度」のページを参照してください。


6. 費用

アメリカの大学で勉強するための主な費用には、授業料とその他の諸経費、そして生活費があります。一般に、授業料は州立大学より私立大学の方が高額です。 生活費は個人のライフスタイルによって大きく異なりますが、大都市、特にカリフォルニアや北東部の大都市では、相対的に生活費が高くなってしまう可能性が あります。正確な予算を見積もるためには、日米間の航空運賃、医療保険、パスポートとビザの申請費用などを忘れずに計算に入れる必要があります。入学費用に関する最新の情報は、各大学のウェブサイトで確認しておきましょう。留学費用についての詳しい情報は「留学にかかるお金」をご覧ください。


7. 奨学金

奨学金などの経済的支援を受けられるかどうかは、研究分野や研究のレベル、教育機関のタイプによって違いがあります。一般的には、学部よりは大学院レベルの研究のほうが経済的援助を受けられる可能性は高くなります。

 

奨学金や助成金の申し込みは、早ければプログラム開始の18カ月前には締め切られる場合もありますから、こうした援助を希望する場合は早めに情報を集めることが大切です。

 

奨学金については奨学金情報検索サイトをチェックしてみてください。


8. キャンパス内の雇用とOptional Practical Training (OPT)

留学生は学期中なら週20時間までパートタイムで、休暇中ならフルタイムで、キャンパス内で働くことが認められています。アルバイトについては、「アルバイト」をご覧ください。キャンパス内でのアルバイトはいろいろありますが、以下のように大学院生に特化した仕事もあります。

 

研究助手(Research Assistant = RA)

教授の研究・実験などを助手としてサポートする仕事です。研究助手として仕事をするメリットは、学位論文のテーマや関心のある専門分野に直接結び付く研究に携わることができることです。

 

教育助手(Teaching Assistant = TA)

学部生が大人数となる学科では、教授の学部生への指導をサポートする「教育助手」が必要とされる場合があります。教育助手の仕事は、試験の採点の手伝い、学部生の実験室での授業監督補助、グループ討論の主導、少人数のクラスでの講義などがあります。

 

特別研究員(Fellowship)

通常は大学院での最初の1年間のコースを終えた後に与えられる地位です。特別研究員への奨学金は、授業料と諸経費をカバーする程度のものから、授業料や諸経費はもちろん毎月の生活費まで全額支給されるものまで、様々です。

 

F-1学生ビザで留学し、学位を取得すると、卒業後に自分の専攻と直接関連した分野で、最長12カ月間インターンとして働くことが出来る、実習/プラクティカルトレーニング(OPT)が利用できます。科学、技術、工学、数学分野専攻の学生は、さらに2年、合計で3年間働くことができます。OPTは就職とは異なりますので、ご注意ください。


9. 住居

留学先の滞在方法は、寮、アパート、シェアハウス(共同生活の家)などが考えられます。大学では、寮だけでなく、アパートやシェアハウスの情報を提供しているので参考にするといいでしょう。また、 多くの大学が学内の掲示板やウェブサイトで、学生がよく利用するハウスシェアやアパート、不動産会社またはホームステイを紹介する団体などの情報を提供し ています。


10. ビザ

アメリカの大学へ留学するには、通常、F-1学生ビザが必要ですが、米国国務省・教育文化局(ECA)に指定された団体または大学の交流訪問者プログラムに参加する場合は、J-1交流訪問者ビザが必要になります。ビザに関する詳しい情報は、米国大使館の「学生ビザ」または「交流訪問者ビザ」をご覧下さい。また、ビザに関する相談は、米国ビザサービス ナビゲーターへお問い合わせ下さい。


 

このサイトに載っている機関や団体が提供するサービスの質や、リンク先のウェブサイトの内容については、一切責任を負いません。掲載は、米国大使館の推薦を示すものではありません。


留学についてのご相談はEducationUSA

Twitter

  • YouTube
  • Flickr
  • LINE