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最良の燃料としてのエネルギー効率 – 拡大を続けるエネルギースターの世界

拡大を続けるエネルギースターの世界

 

キャスリーン・ホーガン

米国政府によるエネルギー効率化を通じての温室効果ガス排出削減に向けた取り組みで、最重要プログラ ムのひとつに位置付けられるのがエネルギースター(Energy Star)であり、この名称は、米国の消費者にはおなじみになっている。プログラムが開始されてから、購入する家電製品を注意深く選んできた平均的な米 国の消費者ならば、家のここかしこにエネルギースターのラベルの付いた製品があるかもしれない。このプログラムによりエネルギー効率に優れた製品の提供と 購入が増えたことで、大規模な省エネが実現し、温室効果ガス排出の大幅な削減につながっている。

平日の午前半ばすぎには、何百万という米国人が、テレビを見て、コンピューターを立ち上げ、仕事関係の書類をコピーし、コードレスの電話で会話する ――こんな日常の決まりごとを終えているはずである。多くの家庭においては、こうした活動のひとつひとつをエネルギースター・ラベルの付いた製品を使って 行い、そうすることでエネルギーを節約し、光熱費を減らし、温室効果ガス(GHG)の排出量を減らしているかもしれない。

家庭用、企業用、大規模工業団地用を問わず、エネルギースター・ラベルの使用が認められた製品を選んだ消費者は、それによって、2008年だけで光熱費を190億ドル節約し、自動車2900万台分に相当するGHG排出量を減らしたことになる。

米国環境保護庁は1992年、自主的なラベル表示プログラムとしてエネルギースターを始めた。最初の表示対象製品は、コンピューターとディスプレー だった。それが今では、60を超える製品カテゴリーがエネルギースター・ラベルの対象になっている。主要家電製品、オフィス機器、照明器具、ホームエレク トロニクスなどである。また10年以上前から、新築の家屋や商工業ビルもエネルギースター・ラベルを取得できるようになっている。

エネルギースターは、小売業者、電力・ガスなどの公益事業者、その他の企業が、エネルギー効率の良い製品やサービスを、より信頼性の高い、全体とし て効果的な方法で顧客に届けるための基盤となっている。同プログラムの下、これまでにすでに1万6000を超える組織や団体がエネルギー効率化に取り組ん できており、その成果は極めて大きい。2000年以降、消費者が買ったエネルギースター・ラベルのある製品は、25億点以上に達する。プログラムは順調に 展開しており、今後10年間で、これまでの成果をさらに倍増する勢いである。

エネルギースター成功の理由

wwwj-ejournal-energy5aエネルギースター・ラベルをチェックして家電製品を買う米国の消費者。(© AP Images/Carolyn Kaster)

エネルギースター成功のひとつのカギは、エネルギー効率の良い製品・サービスの導入を阻む障壁を克服するというその目的にある。この目標を継続的に 追求することにより、同プログラムはその影響力をさらに拡大することができるだろう。今日、消費者は市場で、住宅・ビル・産業のエネルギー効率化により経 費を節約できる数々の機会を与えられている。しかし消費者の多くは、そうした機会の利用に消極的である。情報が不足していること、消費者自身に与えられて いるインセンティブについて十分に理解してないことがその原因である。われわれはこれを「市場障壁」と呼んでいる。

エネルギースターは、取引費用の軽減や投資リスクの低減などの措置を取ることにより、市場障壁を低く抑え、潜在的な省エネプロジェクトが企業や消費 者にとって魅力ある存在となるよう努めている。エネルギースターは、企業や住宅所有者が十分な情報を持った上で選択できるように判断の基となる信頼性の高 い客観的な情報を提供し、民間資本をエネルギー効率化のための投資に誘導している。

ある製品またはサービスのエネルギー効率を評価するのも、やはり簡単にはいかない作業である。米国環境保護庁は、製品やサービスのエネルギー効率仕 様を評価するための、業界に受け入れられる厳密な検査手続きを開発した。その結果、エネルギースター・ラベルの付いた製品またはサービスを購入する消費者 は、それがエネルギーの節約と地球温暖化ガス排出量の削減に役立つこと、またラベル表示のないものに勝るとは言えないにしても、少なくとも同程度の性能を 備えていることを実証する検査を通っていることが分かる。

エネルギースターの主要戦略のうち、このほかに成果を挙げたものを以下にいくつか挙げる。

 

 

  • 新築家屋:米国環境保護庁(EPA)は1995年以来、新築家屋については地元の建築法規で義務付けられているよりも高いエネルギー効率レベルを 目指すよう、各地の建築業者に働き掛けてきた。2007年までに、新築家屋の12%がエネルギースターの推奨する水準で建築された。
  • ビルのエネルギー消費量の標準測定法:EPAは、自動車の燃費効率をガソリン1ガロン当たりの走行距離で測定するのと同様の方法で、ビルのエネル ギー効率を評価する標準的な測定法を開発した。この測定基準はエネルギースター・ラベルが表示されているおよそ5000棟の建物に徐々に浸透してきてお り、これらのビルは平均的なビルより35%から40%エネルギー消費量が少ない。
  • 「住宅丸ごと」の改装:EPAはこの10年間、「住宅丸ごと」改装手法で、米国の既存住宅のエネルギー効率改善に取り組んでいる。このプログラム の目的は、家屋の改装を阻んでいる障害を取り除くことにあり、住宅所有者と資格のある住宅改装工事の専門家とをつなぐことにより、1世帯当たり20%の省 エネの実現を目指している。

 

 

wwwj-ejournal-energy5bオハイオ州の「ジャイアント・イーグル」の店舗で、品物を探して通路を歩き回る買い物客。ピッツバーグに本 拠を置く食料品チェーンの同社は、エネルギー効率化を通じた環境保護への取り組みを評価され、2008年、エネルギースターから「サステインド・エクセレ ンス(持続的卓越性)賞」を受けた。この店舗は、環境デザインのリーダーとして認定された全国初のスーパーマーケットのひとつでもある。(© AP Images/David Massey)

エネルギースター・ブランドに対する信頼

17年目に入ったエネルギースター・プログラムは、米国内外の消費者および製造業者の関心の高まりを追い風に発展を続けている。エネルギースターの ウェブサイトを訪れ、閲覧する人は年間1000万を超える。またエネルギースターについてのメディアの記事や報道は、年間10億人の読者・視聴者の目に触 れている。

エネルギースター・ラベルに対する一般の認知度は2008年には75%を超え、そのトレードマークは世界的に認められている。

製品メーカーやサービス業者は、エネルギースターとの連携にますます熱心である。エネルギースター・プログラムは、現在、2000社を超える製造業 者、2000社を超える小売業者、6000社以上の住宅建築業者、570以上のエネルギー効率化計画管理者、550社を超える生産会社、およびその他数百 社との間で、有効なライセンス契約またはパートナーシップ契約を結んでいる。

国際社会でのエネルギースター

EPAは現在、多数の国の組織と共同で、地球気候変動に対応する低コストの解決策のひとつとして、エネルギー効率の改善に取り組んでいる。国際的な 取り組みは主に、エネルギースターのようなラベル表示プログラムの検査手続きとエネルギー効率基準の調和を図ることに重点を置いている。こうしたアプロー チが取られているのは、整合性のない基準があちこちで作られてしまうと、製造業者が国ごとに異なる基準に合わせようと余分の資源を費やさざるを得なくなる ことを踏まえて、そうした状況を防ぐためである。

EPAは、外国の関係省庁と協定を結んだり連絡を取り合ったりしながら、それらの省庁に特定の製品カテゴリーについてエネルギースター・プログラム を運営する権限を与えている。外国の関係省庁は、それぞれの国の市場の消費者にエネルギースターを売り込み、米国の登録ロゴである「エネルギースター」が 正しく使用されるようその使用状況を監視することが期待される。EPAが現在協定を結んでいるのは、欧州連合(EU)、カナダ、日本、台湾、スイス、欧州 自由貿易連合(ノルウェー、アイスランド、リヒテンシュタイン)、オーストラリア、ニュージーランドである。

エネルギースター・プログラムが発展を続ける中で、私たちは国際社会との連携を拡大し、地球気候変動との闘いにさらに寄与したいと考えている。

エネルギースター・プログラムの将来

エネルギー効率改善による環境面および経済面でのメリットについての認識が高まるのに伴い、エネルギースターは今後も拡大を続けるだろう。EPA は、パートナーからの情報を活用して新たな対象分野や市場への参入方法を探ることに加えて、エネルギー効率の良い技術や慣行がこれまで以上に導入しやすく なるよう努力を続けていく。エネルギースター・プログラムが生み出した成果はすでに証明済みであり、そのことは、私たちすべてが「エネルギーのスター」に 簡単になれるよう、このプログラムが引き続きエネルギー効率化の取り組みを先導する立場にあることを示している。

 

エネルギー効率化のホント

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(© Patrimonio Designs Limited)

米国の家庭が住宅全体にエネルギースター・ラベルの付いた製品をそろえれば、光熱費と温室効果ガス排出量を20%減らすことができる。
出典:全米エネルギー教育開発プロジェクト(The National Energy Eduation Development Project)

 


出典:eJournal”EnergyEfficiency:TheFirstFuel”
*上記の日本語文書は参考のための仮翻訳で、正文は英文です。

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