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銃規制に関する法律 – 連邦政府による銃器規制

2つの主な連邦法が銃器の所有および取引を規制している。1934年連邦火器法 (National Firearms Act of 1934:NFA)(26 U.S.C. セクション5801以下参照) と1968年銃規制法 (Gun Control Act of 1968:GCA)(18 U.S.C. 第44章、セクション921以下参照) である。連邦法を補足している多くの銃器関連州法は、連邦法より厳しくなっている。例えば、一部の州では、銃器を入手する際許可が必要となっており、銃器の移譲に一定の待機期間を課している。その他の州ではそれほど厳しくないが、州法が連邦法より優先されることはない。米国では連邦法が最低限の基準となっている。

 

連邦銃器法(NFA)

NFAは当初、特に殺傷力が強いと思われる銃器、または「ギャング」が使う武器と思われる種類の銃器の入手を困難にすることを目的としていた。特に機関銃や銃身の短いロングガンなどがこれに当たる。この法律はまた、ピストルやレボルバー以外で人が隠し持つことができる銃器(例えば、ペン、杖、ベルトに付ける銃)を規制している。この法律は、これらの武器の製造および流通のあらゆる面に課税している。さらに、製造者から買い手に至るまでの生産および流通システムの開示(司法長官への登録を通じて)を義務付けている。

 

1968年銃規制法 (GCA)

GCAに記されているように、連邦政府による銃器規制の目的は、犯罪と暴力を減少させるため努力を続けている連邦、州、地方の警察への支援である。しかし同法の中で、米国連邦議会はまた、この法律は、法を遵守する市民に対し、狩猟、トラップ射撃、ターゲット射撃、保身、その他の合法的活動のために銃器を合法的に購入、所有、または使用するに際し、不適当または不必要な負担を負わせることを意図するものではない、と述べている。

修正GCAは、小型武器と弾薬の国内取引に対する重要な連邦規制を含んでいる。すなわち、事業として銃器の製造、輸入、または販売に携わるすべての人に対する、連邦政府からのライセンス取得の義務付け、すべての銃器の州際メールオーダー販売の禁止、一般的に拳銃の州際売買の禁止、銃器または弾薬を販売してはならない人のカテゴリー(一定の年齢に達しない人物、または犯罪歴のある人物など)の明示、財務長官に対する競技用以外の銃器の輸入を禁止する権限の付与、ディーラーに対するすべての商業的な銃販売記録の保持の義務付け、麻薬取引や暴行で連邦法違反を犯す中で銃器を使用した場合の特別な刑罰の制定、である。

「事業に携わっていない」個人間の私的な取引は、GCAの対象外である。これらの取引と、所有、登録、銃器所有者に対するライセンス発行などは、州法または地方の条例の対象とすることができる。1993年ブレイディー拳銃防止法 (Brady Handgun Violence Prevention Act, 1993)(P.L. 103-159) によって修正されたGCAは、連邦銃器ライセンス保有者から銃器を購入しようとする人がライセンスを持たない場合、すべてのケースで身元調査を行うことを義務付けている。その他の主な銃器および関連法のリストについては、付表を参照のこと。

 
銃器の譲渡および所有資格

現行法の下で銃器の所有を禁止されているのは、9つの部類に該当する人物である。(1)有罪判決を受け1年を超える服役刑を科せられた者、(2)逃亡犯、(3)麻薬使用者または中毒患者、 (4)知的障害者であると裁定された者、または精神病院に収監された者、(5)不法移民およびほとんどの一時渡航者、(6)軍隊から不名誉除隊された者、(7)米国市民権を放棄した者、(8)親密な関係にあるパートナーまたはその子に対する嫌がらせ、ストーカー行為、または脅迫で裁判所の禁止命令を受けている者、(9)軽微な家庭内暴力で有罪判決を受けた者 (18 U.S.C セクション922(g) および (n))

さらに1994年以来、非ライセンス保持者が18歳未満の人に拳銃を譲渡するのは連邦法違反である。また、18歳未満の人が拳銃を所有するのは違法である(この法律には、雇用、牧畜、農業、ターゲット射撃、狩猟に関して例外がある) (18 U.S.C セクション922(x))

 
ライセンスを受けた販売業者と銃器の譲渡

現行法の下では、連邦銃器ライセンスを受けた者(以下ライセンス保持者という)は、州際および海外との取引で移動してきた銃器を出荷、輸送、受領することができる。ライセンス保持者は、ライセンスの非保持者に銃器を譲渡する前に、その人物が銃器を所有するのに適格か否かを、身元調査を通じてFBIに確かめなければならない。ライセンス保持者はまた、政府の発行した身元確認の書類(運転免許証など)を確認して、ライセンスを保持していない譲受人の身元を確認する必要がある。

ライセンス保持者は、保持者間においては身元調査を行わずに州際の銃器取引に携わることができる。ライセンス保持者は、取引が対面で行われ、ライセンス非保持者が居住する州の法律に意図的に違反しない限り、州外の居住者に対してロングガン(ライフル銃またはショットガン)を譲渡することができる。しかし、ライセンス保持者は、州外に居住するライセンス非保持者に対して拳銃を譲渡することはできない。ライセンス保持者は、18歳未満の者に対するロングガンの譲渡と同様、21歳未満の者に対する拳銃の譲渡も禁止されている (18 U.S.C セクション922 (b))。 またライセンス保持者は、5営業日以内に2丁以上の拳銃を購入した者がいれば、司法長官に「複数販売報告書」を提出しなければならない。

さらにライセンス保持者は、銃器のすべての取得および処分に関する記録を維持するよう義務付けられている。ライセンス保持者は、銃器の追跡情報を求めるATF職員の要請に24時間以内に応える義務がある。一定の状況下では、ATF職員は、捜査令状なしにライセンス保持者の事業所、在庫、銃器の記録を捜査することができる。

 

私的な銃器の譲渡

ライセンス非保持者は、州外からの銃器の取得を禁止されている(上記に記された条件で、ライセンス保持者から購入したロングガンを除く)。ライセンス非保持者はまた、取引が行われる州の居住者ではないと信じるに足る合理的な理由があるいかなる人物に対しても、銃器を譲渡することを禁止されている。加えて1986年以降は、ライセンス非保持者が、銃器所有を禁じられている人物にそれを知りながら販売することは連邦法違反となっている。また、インターネット上での銃器の販売も、他の方法で譲渡した場合と同じ連邦法が適用される。31

 

ブレイディー拳銃防止法

銃規制に関する法律 – 連邦政府による銃器規制

7年間にわたる徹底的な議論の後、連邦議会は1968年のGCAの修正として、ブレイディー拳銃防止法 (Brady Handgun Violence Prevention Act of 1993) (P.L. 103-159、以下「ブレイディー法」とする)32を可決した。ブレイディー法は、連邦ライセンスを受けた銃器販売業者とライセンス非保持者の間での銃器取引の際に、身元調査を義務付けていた。同法は暫定条項と恒久条項の両方を含んでいた。

 

暫定条項

1998年11月まで効力があった暫定条項の下では、拳銃販売における身元調査が義務付けられ、ライセンスを保持する販売業者は、顧客の拳銃取得資格について地元警察責任者(CLEO)に問い合わせることが義務付けれられていた。CLEOは、5営業日以内に資格があるか否か判断しなければならなかった。

 
恒久条項

ブレイディー法の恒久条項の下で、連邦議会は司法長官に対し、1998年11月までに全国的な即時犯歴照会システム(NICS)を設置することを義務付けた。司法長官はその責任をFBIに委任し、今日ではFBIの犯罪司法情報サービス部(Criminal Justice Information Service: CJIS)がNICSを管理している。ブレイディー法の恒久条項の下では、連邦政府からライセンスを受けた銃器販売業者は、顧客の拳銃またはロングガンの取得資格についてFBIに問い合わせるか、または州当局に連絡し州当局からFBIに問い合わせてもらうことが義務付けられている。FBIと州当局は、3営業日以内に資格があるか否か判断しなければならない。米国では、銃器に関する連邦法が最低基準となっていることは注目に値する。各州は、より厳しく銃器を規制することができ、またそのようにしてきた。例えば、一部の州では銃器の譲渡と所有について一定の待機期間を設けており、ライセンスを必要としている州もある。

 
POCの役割を果たしている州と果たしていない州

一部の州ではFBIが身元調査をすべて行っているが、州が完全に、または部分的に連絡窓口(POC)となり、身元調査に関して連邦政府の銃器ライセンス保持者が、州機関に問い合わせ、その州機関がFBIも問い合わせる州もある。14の州で州機関が完全なPOCとなっており、ロングガンと拳銃両方に関して身元調査を行っている。4つの州では、州機関が拳銃所有許可に関してのみPOCとなっており、またほかの4つの州においては拳銃譲渡に関してのみPOCとなっている。部分的にPOCとなっているこれら8つの州では、ロングガンの譲渡の際の身元調査はすべてFBIを通じて行われる。POCの役割を果たしていない28州とコロンビア特別区、そして4つの自治領(グアム、北マリアナ諸島、プエルトリコ、バージン諸島)では、連邦政府のライセンスを受けた銃器販売業者がFBIに直接問い合わせ、拳銃とロングガンのいずれの場合もNICSで身元調査を行ってもらう。

州機関(POC)は身元調査を迅速に行えないかもしれないが、より徹底した調査ができるかもしれない。というのも、NICSを通じて行う場合には使うことができないデータベースや記録をより多く利用できるからである。政府説明責任局(Government Accountability Office:GAO)によると、軽微な家庭内暴力と保護命令に関しては特にこれがあてはまる。33

 
ブレイディー身元調査に関する統計

ブレイティー法の暫定的および恒久的な条項の下で、2005暦年末までの間に銃器譲渡申請のため7000万件近くの身元調査が行われた。34 このうち、約1.9%に当たる136万件近くの身元調査で銃器譲渡申請が却下された。35 暫定条項の下、その4年間で拳銃関連の身元調査が130万件近く行われ、31万2000件が却下された。36 恒久条項の下では5700万件以上の調査が行われ、却下件数は100万件以上、却下率は2%である。37 POCの役割を果たしていない州とコロンビア特別区、4つの自治領のためにFBIだけで行った身元調査の数は、3200万件近くに上った。38 却下率は1.5%であった。39 完全に、あるいは部分的にPOC の役割を果たしている州は、 2500万件以上の身元調査を行い、40 却下率はより高く2.3%であった。41

システムが原因で起こる譲渡の遅延

NICSの適格性判定率(このシステムがいかに迅速に適格性の判定を行うか)については、論争が続いている。GAOによると、FBIが行ったNICSによる身元調査のうち、約72%が即座に適格と判断された。「手続きを進める」でも却下でもなく、最終的な回答が得られなかった残りの28%のうち、80%は2時間以内に結果が出た。残る20%の処理遅延案件については、FBIのNICS検査官が最終判断をするのに数時間あるいは数日かかった。42

多くの場合、銃器の譲渡が遅れるのは、銃器を購入しようとする人物に何らかの犯罪の嫌疑がかけられており、最終的な処分が決まっていないからである。そのような場合には、さらに情報を得るためFBI審査官が州または地方当局に問い合わせる。現行法では、FBIは容疑について最終的な判定を下し、銃器取得希望者の適格性を判定するため、3営業日に限って販売を遅らせる権限を有する。FBIによると、2002年7月から2003年3月までの間、NICSが即座に適格性を判定した率は91%で、2001年11月から2002年7月の77%未満に比べて向上した。43

システムの利用可能性

NICSの利用可能性、つまり業務時間中にどの程度定期的にシステムにアクセスでき、そして合法的な銃器譲渡に遅れを生じさせないでいられるか、という点にも苦情が寄せられた。しかしGAOによると、NICSが使われ始めた最初の年に、FBIは4カ月について、システム利用可能性の目標である98%をした。残りの8カ月については、平均して95.4%であった。44 FBIの報告によると、2001会計年度と2002会計年度に、NICSサービスの利用可能性は99%に増加した。45 第106回議会で、ブレイディー法の身元確認条項を銃器展示会におけるすべての銃器譲渡に拡大する法案が審議されていたとき、NICSの能力でこれらの身元確認を即座に行えるかという点が、法案を通過させる上で主な障害となった。

銃器に関する連邦訴追手続き

ブレイディー法の執行に関しては、1998年11月から2000年6月までの間、FBIはブレイディー法関連の事件13万4522件をATFに付託した。そのうち3万7926件は、ATFの現場部門が捜査することになった。ATFによると、2000会計年度には、ブレイディー法の下でのNICSによる身元調査の結果、銃器関連の違反で起訴された被告人が1485人いた。そのうち1157人は連邦銃器ライセンス保持者に虚偽の情報を提供したことで起訴されており (18 U.S.C. セクション922(a)(6))、86人は家庭内暴力の犯罪歴により銃器を所有を禁じられている不適格者 (18 U.S.C セクション922(g) (8)および(9))で、136人は重罪で有罪となった人物であった (18 U.S.C セクション922(g)(1))。しかしBJSによると、1992年から1996年の間に銃器関連の連邦訴追手続きの件数は19%減少し、1997年を通じて横ばい、そして1998年と1999年に増加している。減少した原因の一端は最高裁判所の判決 (Bailey v. United States (516 U.S.137,116S.Ct.501))で、これは暴力または麻薬に関連した犯罪での銃器の使用に対する訴追を制限したものである。銃器が逮捕に付随的なものにすぎないということはありえないからである。 (18 U.S.C.セクション924(c))46


 

– CRS Report for Congress on Gun Control Legislation, updated April 2007 –
 
 
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